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鞆の浦に伝馬船を 児童の夢始動 '06/1/8

 子どもの夢を実現する広島県のユニーク事業、夢配達人プロジェクトに選ばれた福山市鞆町、鞆小五年生の「鞆港に浮かべる木造船を造る」計画が七日、同町唯一の船大工碇侑(いかりすすむ)さん(73)の造船作業場で始動した。プロジェクトに応募した児童五人も碇さんの組み立て作業を見守った。

 船は、長さ約四メートル、幅約八十センチで、江戸時代から伝わる伝統の小型漁船。もともとは「伝馬(てんま)船」と呼ばれ、偵察船として瀬戸内海を航行していた。

 発案は、碇さんの造船作業場によく遊びに来ていた岡本和輝君(10)。二〇〇四年十二月、最後の木造船造りをしていた碇さんの姿を見て「もう見ることがなくなる木造船を残したい」と、江戸時代の小型漁船造りでプロジェクトに応募、採用された。

 この日、岡本君ら五人の児童が造船作業場に訪れ、碇さんと船の安全を願う「瓦据(かわらず)え」と呼ばれる儀式に参加。碇さんは、船の底板に正座して手を合わせた後、船尾の組み立て作業に入った。

 碇さんは「子どもたちの夢でもあり、私の夢でもある。完成が楽しみ」と意気込んでいる。船は七月中旬に完成する。(中島大)

【写真説明】碇さん(左端)の組み立て作業を見守る岡本君(左から3人目)ら

   

2006年1月20日中国新聞 インターネット版より 引用