中国新聞地域ニュース
鞆架橋計画 関連工事を予算化へ '06/2/2

 福山市鞆港の埋め立て・架橋計画で、事業主体の広島県と福山市が関連事業の実施設計費を、二〇〇六年度当初予算案に盛り込む方針であることが一日、分かった。埋め立て免許申請に必要な地元の同意が得られず、凍結状態となっている事業の推進への布石となる。

 県空港港湾局によると、予算化を予定しているのは鞆港西側の砂浜整備と護岸工事の実施設計費。県が約二千五百万円、市は地元負担金として約千二百万円を確保し、予算案に盛り込む方向で準備している。

 これに関連し、羽田皓市長は一日の記者会見で、負担金の当初予算案への計上とともに、地元説明会を予定する六日以降の早期に事業推進を県へ要請する考えを示した。県は市の要請を待って、予算案への計上を最終判断する。

 県と市は昨年七月、埋め立て免許の願書を整えるため、環境影響調査に着手。約一年間の予定で交通量や水質、景観、生態系への影響など最新データを収集している。予算案に実施設計費を計上する方針の砂浜整備なども、事業推進に向けたステップとなる。

 埋め立て・架橋計画は、港に排水を流す「排水権」を持つ全住民の同意が得られず、市は〇三年九月に説得を断念。県もこれを受け、事業凍結を表明した。

 市側はしかし、羽田市長が就任した〇四年九月以降、国に「完全同意」なしの事業着手が可能かどうかを照会するなど、再始動への取り組みを強化。今年一月には県に関連事業の予算措置を求めていた。(阿座上俊英、古川竜彦)

 クリック

 鞆港埋め立て・架橋 港を2ヘクタール埋め立て、長さ180メートルの橋を架ける。広島県は1983年、4・6ヘクタールの埋め立て案を策定したが、98年に江戸時代の船の修理場が確認されるなどしたため、2000年に縮小した。鞆町には江戸時代の建物や港湾施設が残り、景観保護を求める住民運動が続く。昨年10月には国際記念物遺跡会議(イコモス)が鞆港の景観、歴史文化遺産の価値を評価し、計画放棄を求める決議(pdf版)をした。

2006年2月2日中国新聞 インターネット版より 引用