中国新聞地域ニュース
鞆の町家、店舗に改装 福山 '06/2/13

 伝統的な商家のたたずまいが残る福山市鞆町で、江戸―明治時代の建物を改修した二店が、今月中に相次いで開業する。空き家を活用し、にぎわいを取り戻そうという地元の特定非営利活動法人(NPO法人)の呼び掛けに、町外の女性たちが応じた。これで再生した空き家は八軒を数え、港まちに新たな息吹を注ぎ込む。(赤江裕紀)

 二店は、同市津之郷町、横山文恵さん(59)と貴子さん(34)のステンドグラス工房「茜屋(あかねや)」と、同市田尻町、縄稚育子さん(57)の食堂「海彦」。いずれも所有者から建物を借り受け、町中心部の県道鞆松永線沿いに開く。

 茜屋は江戸末期の築造で、木造二階建て延べ約百平方メートル。保命酒製造で栄えた「中村家」の従業員宅だったとされる。柱の傾きや畳、壁などを補修。柱や扉の枠は当時のままの和室で、十六日から手作りの置物やライトなどを展示・販売する。

 海彦は、明治五年築の元看板店を改装。木造二階建て約八十平方メートルの広さで、古い柱や梁(はり)を生かしながら縄稚さん自ら壁を塗った。古い家具や道具をそろえ、二月下旬の開店を目指す。

 二店が開業するのは、市が国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)指定を目指す地域。一方で昨年の東京大大学院生らの調査によると、一帯では五十八軒が空き家になっている。NPO法人「鞆まちづくり工房」は、二〇〇三年から空き家の借り手を探す取り組みを始めている。

 横山さん親子は開業の地を探していた時に鞆を訪れ、「こんなに癒やされる町があったのか」と出店を決めた。「町の人に気軽に声をかけてもらい温かい雰囲気。今度は迎える側として、にぎわい創出に一役買いたい」と準備に余念がない。

【写真説明】ステンドグラスを手に、開店の準備を進める横山文恵さん奄ニ貴子さん親子

2006年2月13日中国新聞 インターネット版より 引用