中国新聞地域ニュース
ユニタールが世界遺産で公開講座 '06/3/17

 国連訓練調査研究所(ユニタール)アジア太平洋地域広島事務所は十六日、公開講座「広島の世界遺産」を広島市中区の原爆資料館東館で開いた。世界遺産保全のために、市内を主会場に十三日から実施している研修ワークショップの一環。

 参加した約百五十人を前に、研修の講師を務める専門家七人がパネル討論した。原爆ドーム(中区)と厳島神社(廿日市市)の二つの世界遺産が発信している、平和や伝統文化の意義を高く評価する意見が相次いだ。

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)バンコク事務所のリチャード・エンゲルハード氏は、ドームが「戦争で傷ついた国の人びとにとって、平和と復興のシンボルになっている」と指摘。ドームに近い市民球場の跡地利用問題にも触れ、「平和記念公園を世界遺産に加えれば、市民の関心が高まる。民意の力で開発と遺産管理の調和を図ることができる」と提言した。

 ユネスコの諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)のダンカン・マーシャル氏は「人類の愚かさを象徴しているドームは、平和のとりでとして世界の人々と共有すべき財産だ」と現状保存の必要性を訴えた。

 厳島神社のある宮島については、自然環境研究センター(東京)の米田久美子上席研究員が「島全体が鎮守の森。豊かな自然と伝統文化をはぐくむ場として機能している」と強調した。(石川昌義)

【写真説明】広島の世界遺産について7人の専門家が意見を述べ合ったユニタールの公開講座(撮影・浜岡学)

2006年3月17日中国新聞 インターネット版より 引用