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広島都心の雁木、土木遺産へ '06/7/16

 ▽専門家視察「全国的にも珍しい」

 広島市中心部で近代の水運を支えた「雁木(がんぎ)」が土木学会(東京)の近代土木遺産リストに登録される見通しになった。15日には同学会メンバーで岡山大大学院の馬場俊介教授(土木遺産論)が視察し、「これだけ大規模な雁木群は全国的にも珍しい」と高く評価した。(小川満久)

 調査実施は、地元の特定非営利活動法人(NPO法人)「雁木組」が歴史調査や雁木タクシーを運航してきたのがきっかけ。馬場教授は、比較的古い雁木が多く残る中区橋本町の京橋川一帯を訪れ、「雁木組」のメンバーから説明を受けながら、石の組み方や摩耗の程度を確認していた。

 雁木は太田川水系のデルタ地帯に約三百カ所あり、雁木タクシーで京橋川、元安川、本川も見て回り、「三段階ある近代土木遺産のうち、最高のAランクに登録できる」との考えを示した。

 馬場教授は今月上旬、二〇〇四年十月にNPO法人になった雁木組を知り、活動をまとめた資料も登録に役立ったという。氏原睦子理事長は「雁木が評価され、貴重な遺産として全国に知られるのはうれしい。『水の都』の宝を引き続き広めたい」と話していた。

 ●クリック 雁木

 潮の干満で水面が上下しても、船が着岸しやすいよう工夫した階段状の荷揚げ場。江戸時代から舟運で栄えた太田川流域に多く、瀬戸内海沿岸などにもわずかに残る。ぎざぎざの形状が、空を飛ぶガンの列に似ているのが名前の由来。

【写真説明】雁木組のメンバーから説明を受けながら、京橋川沿いの雁木を視察する馬場教授(左)


 リンク;岡山大学環境理工学部環境デザイン工学科景観工学研究室(馬場俊介教授)

2006年7月16日中国新聞 インターネット版より 引用