2007年7月3日 毎日新聞

2007年7月3日 毎日新聞

福山市鞆町の鞆港埋め立て・架橋計画に反対する住民らが県を相手どり、埋め立て免許の差し止めを求めた訴訟の第1回口頭弁論が2日、広島地裁(能勢顕男裁判長)であった。被告の県は「差し止め訴訟の要件を満たしておらず、原告の大半は原告適格がない」などとする答弁書を提出し、請求の却下を求めた。【重石岳史】  訴状などによると、県と市が港西側約2ヘクタールを埋め立て、橋を架ける計画は、鞆の歴史や文化、自然を破壊し、住民に精神的苦痛を与えると主張。原告163人のうち98人に排水権があり、権利者全員の同意がないままの免許申請は公有水面埋立法に違反するとしている。  大井幹雄原告団長は意見陳述で「住民に納得できる説明もしないまま公共事業を一刀両断にする行為は、法治国家に許されない行為」と県や市を批判。水野武夫弁護団長は「司法の手によって鞆を守り、後世に残すしかない」と訴えた。  一方、県は▽埋め立て免許を出すことは、差し止め訴訟の要件である「重大な損害」に当たらない▽原告が主張する排水権者98人のうち、少なくとも94人は海に直接排水しておらず、権利がない−−などとして原告の訴えは「不適法」と主張した。  この日は原告約35人が出廷。定員60人の傍聴席に入りきれない人も出て、整理券が配られた。次回期日は9月6日。